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赤ちゃん(新生児)の健康診断(新生児マス・スクリーニング)

先天性代謝異常等検査

photo image  先天性代謝異常等検査(新生児マススクリーニング)は、生まれつき必要な酵素が欠けていたり、ホルモンの分泌が足りないことが原因で起こる様々な病気を検査します。これらの病気は、生まれた時は全く健康に見えていても、放っておくと身体障害や知的障害、時には生命の危険にさらされる場合があります。しかし、先天性代謝異常等検査の検査対象の病気にはいずれも治療法があります。したがって、出生時の早い時期に発見し適切な治療や生活指導を受けることで障害などの発生を未然に防止したり、重い症状が出ないように注意して日常生活を送ることができます。

先天性代謝異常等検査は、旧厚生省の施策として新生児を対象に昭和52(1977)年より5つの疾患を対象に全国で実施されました。神奈川県内では平成23(2011)年10月からタンデムマス法が導入されさらに多くの疾患を対象とすることが可能となりました。平成30(2018)年からは1疾患増えて合計20疾患を対象に検査しています。これらの検査は、検査料が公費負担となっています。

 これに加え、神奈川県予防医学協会では、拡大新生児マススクリーニングとして「重症複合免疫不全症(SCID)」「脊髄性筋萎縮症(SMA)」の2つの検査が始まりました。どちらも有料の任意検査ですが、新生児期の早期発見による早期治療の効果が大きい疾患です。拡大新生児マススクリーニングは、一部の医療機関では対応しておりません。詳しくは医療機関にお問い合わせください。

●新生児マススクリーニング
■当協会の特徴
県医師会内に県産科婦人科医会、小児科医会及び行政機関と「県医師会先天性代謝異常対策委員会」(委員長:横浜労災病院 菊池信行先生)を組織しています。委員会の中には、広報班、治療研究班及びスクリーニング研究班があり、当協会はスクリーニングセンターとして神奈川県内のすべての赤ちゃんの検査を担当しています。

photo image ■方法
生後4日から7日の間に医療機関で赤ちゃんのかかとからほんの少しの血液を検査用ろ過紙にとり、当協会集団検診センターに送付し検査を行います。

■費用
検査料は自治体(神奈川県・横浜市・川崎市・相模原市)の負担となるため無料です。採血料・管理料等については保護者の方が医療機関にお支払いいただきます。

■検査を行う疾患(20疾患)
□アミノ酸代謝異常(5疾患)
 ・フェニルケトン尿症
 ・ホモシスチン尿症
 ・メープルシロップ尿症
 ・シトルリン血症1型
 ・アルギニノコハク酸尿症
体内でタンパク質をつくる原料となる栄養素のアミノ酸がうまく利用できない疾患です。知能の障害や重度の体調不良などを引き起こします。投薬や特殊なミルクを医師及び栄養士の指導のもとに使用することで正常に発達します。
□有機酸代謝異常(7疾患)
 ・メチルマロン酸血症
 ・プロピオン酸血症
 ・イソ吉草酸血症
 ・メチルクロトニルグリシン尿症
 ・ヒドロキシメチルグルタル酸(HMG)血症
 ・複合カルボキシラーゼ欠損症
 ・グルタル酸血症1型
タンパク質を体内で処理するときにできる有機酸が体内で増加することで、重度の体調不良などを生じさせます。投薬や特殊なミルクを医師及び栄養士の指導のもとに使用することで正常に発達します。
□脂肪酸代謝異常(5疾患)
 ・MCAD欠損症
 ・VLCAD欠損症
 ・TFP/LCHAD欠損症
 ・CPT1欠損症
 ・CPT2欠損症
脂肪酸の利用がうまくいかないため、長時間の絶食や感染症などでエネルギー消費が増えた場合などに重度の体調不良などを生じます。適切な治療や生活指導で発症の予防ができます。
□糖代謝異常(1疾患)
 ・ガラクトース血症

母乳やミルクに含まれる炭水化物(糖)の成分をうまく処理できない疾患です。 肝臓の働きが低下したりします。投薬や特殊なミルクを医師及び栄養士の指導のもとに使用することで正常に発達します。

□甲状腺機能低下症(1疾患)
 ・先天性甲状腺機能低下症

甲状腺機能が低下し、神経の発達や新陳代謝をつかさどる甲状腺ホルモンが正常に分泌されないために発症します。早期にホルモン補充などの適切な治療を開始しないと、回復が難しい身体や知能の発達障害が残ります。頻度はおよそ3千人に1人です。

□副腎過形成症(1疾患)
 ・先天性副腎過形成症

副腎の酵素が欠けるため、からだの中のカリウムやナトリウムなどのバランスがくずれ、死に至ることもある病気です。早期に発見されれば、必要なホルモンを補うなどの治療で発症の予防ができます。

※各疾患の詳細は小児慢性特定疾病情報センターの先天性代謝異常の疾病一覧からご確認ください。

■パンフレット
神奈川県の新生児マススクリーニングについてのパンフレットをご覧いただけます。



●拡大新生児マススクリーニング (有料)
令和4(2022)年4月より拡大新生児マススクリーニングを有料で開始いたしました。対象疾患は「重症複合免疫不全症(SCID)」「脊髄性筋萎縮症(SMA)」の2疾患です。どちらも新生児期の早期発見による早期治療の効果が大きい疾患です。
※一部の医療機関では、拡大新生児マススクリーニングに対応しておりません。詳しくは医療機関にお問い合わせください。

■方法
新生児マススクリーニングと同様に、生後4日から7日の間に医療機関で赤ちゃんのかかとからほんの少しの血液を拡大新生児マススクリーニング専用の検査用ろ過紙にとり、当協会集団検診センターに送付し検査を行います。

■費用
検査は任意のため、費用は自費です。(検査にかかる費用については、現在受診されている医療機関にお問い合わせください。)

■検査を行う疾患(2疾患) 
・重症複合免疫不全症(SCID) 該当疾患:No.1-1 X連鎖重症複合免疫不全症
・脊髄性筋萎縮症(SMA) 該当疾患:No.18-42 脊髄性筋萎縮症
※小児慢性特定疾病情報センターの疾病情報にリンクしています。
 
■パンフレット
神奈川県の拡大新生児マススクリーニングの説明書をご覧いただけます。

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