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健康かながわ

新・総合健康管理システムのご紹介

まず「新・総合健康管理システムの概要」のテーマで当協会産業保健部長・井澤方宏医師が今回の神奈川県予防医学協会におけるシステムバージョンアップの目的について説明した。

21世紀の健康診断は一次予防の推進と個人への対応を目指ざすことが大切であり、そのために必要な積極的な健康増進と一人ひとりの多様な価値観へ柔軟に対応すること。こういったコンセプトで新総合健康管理システムを作ってきた、と井澤医師は解説。
判定区分については一般健康診断では従来の10区分であった判定区分を7区分へと変更、法定の管理区分に基づかない特殊健康診断である腰痛やVDTといった健診では7区分とした。井澤医師は「定健では健診後に受診者がとるべき保健行動をはっきりとわかりやすくすることを、特殊健診では作業態様の積極的な変更への支援と自覚症状が主となるVDTや腰痛への適応を意識し、事後措置へ活かすための判定区分の変更を行いました」と語る。

また健康診断結果を労働基準監督所長に報告する時に必要な「有所見者数」を判定する際に用いる判定基準値についても一部が変更される。例えば、血糖検査では従来は「空腹時血糖110mg/dl以上、随時血糖140mg/dl以上、HbA1c5.6%以上」としていたが、新システムの基準値として「HbA1c5.9%以上」という変更を加えた(空腹時・随時は変更なし)。このような変更を5項目にわたって行った。これは学会のガイドラインなどが整備され、指標が示されてきたことを反映したものである。

なお、判定区分と基準値はあくまでも当協会の設定した標準的な仕様におけるものであり、各事業所の要望により独自の判定区分・基準値が設定できる柔軟性を新システムはもっている。

快適受診をサポート

image新システムの全体設計を担当した企画調整部システム課担当課長・杉坂徹からは「事前準備と新しい健診会場」のテーマで実際に健診受付に用いるパソコンや磁気カードリーダーを講演会場に持ちこんでの説明があった。(写真)

新・総合健康管理システムでの健診受付はパソコンを使って行われる。個人毎に複雑に異なる健診内容は健診前にデータベース化され受付の際、瞬時に呼び出し確認される。当日、受診者が持参いただいた検体もデジタルで認識される。採血情報も磁気カードに登録し、現場での採血もれといったヒューマンエラーの防止にも新システムでは、力を注いでいる。

参加者からの質問で「受付時間はどのくらいかかるのか?」というものがあった。現在のところ受付時間は一人あたり20~30秒、ただし検体や受診票を忘れてしまった方などに対する特殊な受付の場合、1分ほど時間をいただくことになる、という。

健診を効率良く、快適に行うためにIT技術を駆使している新システムであるが、そのためには健診に関わるすべての情報を把握する必要がある。例えば出張健診の会場に関する情報(借用できる椅子や机の数、心電図や聴力測定に利用できる別室など)を的確に把握することで「快適受診」が実現する。

当協会の業務担当職員が顧客の健康管理担当者の方々からお聞きする膨大な情報はすべて新・総合健康管理システムでデータ化され、その一部は一人ひとりの受診者の「快適さ」となってお返しすることになる。

事後措置への活用

image健診後に作成する帳票について情報処理部部長・山本秀雄から説明を行った。帳票作成では「事後措置への支援」を意識し、健康管理担当者が健診によって得られる情報をよりわかりやすく活用できることを目指した、と説明。

その一例が健康管理担当者が活用する連名結果報告書。判定区分は検査項目ごとに一人ずつすべて表示され、医師の診断のコメントでは重要度の高い指示から記載される。

また判定区分別(要受診、要精検、要経過観察・注意の3種類)に作成する連名結果報告書だが、例えば脂質で要受診、肝機能で要精検となっているような人は、従来のシステムでは、判定区分別それぞれの連名結果報告書に重複して記載されていた。

今回の新たな工夫として複数判定者の重複を省き、事後措置上、優先すべき上位の判定が優先される連名結果報告書が作成できるようになった。  こういった工夫が健康管理担当者への支援につながればと考えている。

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