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職場のメンタルヘルス 職場復帰を中心に

image平成15年度の第4回健康管理懇談会が11月27日、日本大通ビルで開催され 61団体、69人が参加した。

今回は富士電機システムズ㈱東京工場総務部健康管理センター所長で産業医の堀川直人先生(写真下)に「職場のメンタルヘルス・職場復帰を中心に」のテーマで講演いただいた。

堀川先生は職場のメンタルヘルスをすすめるポイントを「社内を熟知した人がキー マンになることです。それは保健スタッフでも人事労務スタッフでも構いません。」 と明快に語る。そのキーマンを中心に「人事労務、保健,ラインスタッフががお互い の垣根を低くして連携していくことが必要」とも強調される。

産業医としてメンタルヘルス問題に関わっていると、「臨床医(主治医)との連携 に難しさを感じる場面もある」という。臨床医のなかには、企業の厳しい就労環境を よく理解していない人が多いからである。職場のメンタルヘルスと就労の問題は 一体であるのに、病気の治療のみしか念頭になかったり、就労問題に関わる話を 敬遠する医師も多い。

具体的には「患者の言うがままに復職を許可する内容の診断書が出される」という こともある。企業としてはしっかりと治療に専念し、仕事ができる状態になってからの職場復帰 を望んでいる。しかし、「とてもそんな回復レベルではないのに、本人(と主治医) が復職を望んでいる」といったケースは、どの企業でも経験しているのではないだろうか。

リハビリ出勤

image富士電機システムズ㈱東京工場では、産業医が中心となり、「リハビリ出勤」を 試験的に行っている。 その概要は図のとおり。最初は午前中のみ(3時間、約1週間で次のステップへ)、 次に午後まで時間を延ばす。最後にはフルタイムとなる。

リハビリ出勤は正式には「勤務」ではなく病欠(休職)の扱いで実施されるため、 実施前には本人・上司・勤労部門と十分な面談のうえ、同意を得てから行われる。 リハビリ中に業務は行わないことが前提となる。 また、うつ病の人は午前中調子が悪いことが多いため、午前中から出社できること を、リハビリ出勤開始の条件としている。 リハビリ期間中も産業医が1~2週間おきに面接を実施し、本人の状況を見極め ステップアップをしていく。ステップアップのたびに、その状況を上司と労務担当者 にも報告をする。

「まず大切なのは、朝からキチンとと出社できるかということ」と堀川先生。ま た、 長時間デスクに座っていることや、通勤に耐えられる体力が回復しているのかも確認 する。リハビリ出勤の期限は概ね2ヶ月以内をメドにしている。リハビリ中に出社継 続 困難と判断した場合には、自宅静養に戻る場合もある。

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