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職業性ストレス簡易調査票を活用したメンタルヘルス対策

image第4回かながわ健康支援セミナーが11月10日、松村ガーデンホールで開催された。東京医科大学衛生学公衆衛生学教室の小田切優子講師が「職場のメンタルヘルス対策=職業性ストレス簡易調査票を活用したメンタルヘルス対策―」をテーマに講演し、事業所で労働衛生に携わる健康管理担当者116人(91団体)が参加した。

厚生労働省実施の労働者健康状況調査によると、近年、仕事における不安や悩み、ストレスを感じる人の割合は60%を越えている。メンタル不全による休職者の割合は0.5%で、年間47万人にも及ぶそうだ。それにより、国としては年間1兆円の経済的損失があり、職場環境の改善が求められている。

このような事態を受け、厚生労働省から委託された研究グループが、職場で使用できる簡便なストレス調査票の開発をめざし、関係者の尽力により完成したのが「職業性ストレス簡易調査票」である。

今回のセミナーでは、この調査票の開発に関わった東京医科大学公衆衛生学教室講師の小田切優子先生を講師に迎え、調査票の具体的な活用法について、丁寧な講義が行われた。

image調査票では、①仕事上のストレス要因、②ストレスによる心理的・身体的反応、③修※ 飾要因についての3つが測定できる。また、評価の方法として、①短時間で評価可能な簡易採点法、②チャートを用いて視覚的にストレスを確認できる、標準化得点を用いた方法、③作業集団などを対象として部署ごとの健康リスクを算出する、仕事のストレス判定図による3つの方法がある。

調査票は、事業場の状況に応じてさまざまな使い方が可能だが、講義では、健康診断時に調査票を配布する方法が紹介された。労働者各自が57項目の質問に回答後調査票を厳封してもらったのち回収し、2週間以内に結果を通知する、という手順で行われた。

この際、労働者に対する配慮として、自分だけが対象者なのではなく事業場全体での衛生活動として行われること、プライバシーに十分な配慮がなされていることを理解してもらった。

それにより労働者は安心して調査票に記入することができ、結果として、より正確なデータが得られた。その結果被験者からは「調査時の記憶が薄れる前に結果が分かり、自分のストレスを客観的に確認できた」という評価をいただいた。

調査後、ストレス状況の高かった上位5%約30人には、看護師とともに一人ひとりと面談を行った。文書化した調査結果を使ってストレス改善の具体的対策をアドバイスすることができるなど、見えないストレスの発見方法として調査票が有効であった。

この調査票は、個別の対応のほかに、職場全体の現状把握や問題点の発見にも役立つ。職場環境改善のための対策を立案する際にも有用なデータとなる。

今後は、業種や職場ごとに調査データの蓄積を進め、職種ごとの基準値を設定して、よりきめ細かいストレス対策マニュアルを作成していく予定だという。

最後に、職場のメンタルヘルス対策として、雇用する側が真剣に取り組む姿勢と労働者一人ひとりが自分の問題として真剣に考える姿勢が必要であることを強調され、講演を締めくくった。

当協会からは、亀ヶ谷律子保健師が、協会で行っているメンタルヘルス支援における当協会の役割、ストレス調査の契約をするときの留意事項など、具体的な説明を行った。当協会では厚生労働省版の職業性ストレス簡易調査票(図)を活用し、「職業性ストレス簡易調査診断サービス」を実施し、働く人のストレスチェックや職場の健康リスク分析を効率的に行っている。これまでの実績・効果、費用などについて具体的な説明を行った。

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