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企業におけるキャリアサポート~メンタルヘルス支援を含めて~

平成21年度第1回かながわ健康支援セミナーが8月31日、神奈川県予防医学協会2階会議室で開催された。(株)富士通ソーシアルサイエンスラボラトリの島村泰子・キャリアデザインサポート室長が「企業におけるキャリアサポート~メンタルヘルス支援を含めて~」をテーマに講演し、85団体102人が参加した。

最近の社会情勢は、自分の人生は自らが責任をもつことが求められている。企業内でも社員の自律のためのキャリアデザインが重要視されている。
島村室長の所属するキャリアデザインサポート室では「社員一人ひとりが自分らしさを発見し、個性と能力を十分発揮することができるように支援することを目的に、適切な対応・アドバイス・情報発信を行うこと」を活動方針に、3つの役割を担っている。

1つ目は職業を通して個人の生き方・働きがいまでを含めたキャリア形成の支援、2つ目はキャリアマネジメント支援(自律・自立)、3つ目は個人と組織との共生関係を作る支援、である。それぞれ勤続年数や階層に合わせた研修、面談・相談、キャリア教育、メンタルヘルス、情報提供・環境への働きかけがある。

なかでもメンタルヘルス支援は重要である。病気を発生させないためのセルフケア(一次予防)、現場との連携による病気の早期発見・早期治療(二次予防)、病気の回復機能・再発防止(三次予防)である。
しかし実情は厳しく、一次予防の重要性が十分には認識されていない。また二次予防も対応の遅延やリーダー・幹部職のマネージメント不足が見られる。三次予防も主治医・産業医・職場の3者の見解の相違や、業務と本人の業務遂行能力とのギャップなど、課題も多いのが現状である。

島村室長は具体的に2つの事例をあげて解説。
1つ目の事例は、〝ヤル気のない若手社員〟に対する相談依頼。3カ月の面談を実施し、本人の意識・行動変容への支援を行い、働く意欲を持つようにサポート。人生は予定通りではなく、状況に応じた方向転換や新たな進路選択など、柔軟な人生設計の必要性を説明した。

2つ目の事例では、〝中年社員の危機に直面した場合〟を挙げた。それまでの経験が生かせないことや、キャリアの再構築も必要となることがある。さらに能力・スキルを上げること、モチベーションの維持・向上につなげることの必要性を説明し、理解を得るためのサポートをしたという。

メンタルヘルス不調は、いつでも誰にでも起こるという前提で取り組む必要がある。また支援のスタンスとしては、中立の立場で個も組織も尊重しながら役割を遂行し、柔軟な対応が必要。さらに企業の体力に合ったサポートが重要で、その企業にとって力量以上のことは外部機関や行政の利用も必要になってくると説明した。
島村室長は「メンタル不調の人の復帰には、働く意欲をもつこと、自分の専門性をもちさらに専門性を増やすこと、相談できる人間関係をもつこと、の3つが復帰のカギだと考えます」と講演した。

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