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健康かながわ

心の健康をどう考えるか

小原医師産業保健活動の向上を図ることを目的に行われている「かながわ健康支援セミナー(特別編)」が、7月1日「心の健康をどう考えるか」をテーマに、当協会2階の会議室で開催された。講師は当協会統括産業保健部長の小原甲一郎医師。講演後には、「ライフサポートクリニック」(健康管理型メンタルヘルス)のインフォメーションも行い、事業場で従業員の健康管理に携わる62団体80人の参加があった。

健康とは

 健康とは、単に病気でないというだけでなく、身体的、精神的及び社会的にも完全に良好な状態であると世界保健機構は定義している。小原医師はそれに心に安らぎという意味で「文化的」を加えたものが、いいのではないかと講演を始めた。
その健康を維持するためには、「心・身体・感情(情動)」のバランスが必要である。
  ところが、長時間にわたる過重労働は健康度を下げ、疲労の蓄積をもたらし、健康維持を困難にしている。そこで事業者には、労働者の健康に配慮し、労働者の従事する作業を適切に管理し、契約に伴い労働者がその生命・身体等の安全を確保しつつ労働ができるように配慮することが求められている。

労働者の心の健康づくり(2000年指針)

 事業者は心の健康について4つのケアが求められている。
①労働者自身による「セルフケア」
②管理監督者による
「ラインによるケア」
③健康管理担当者による「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」
④事業場外の専門家による「事業場外資源によるケア」
  ①から④のケアをそれぞれの事業場で実施するために、〝産業保健スタッフ〟は、職場実態が必ずしも十分に把握されていない医療と連携をとることが必須である。
  企業を取り巻く環境の変化が早い現代では、誰が「うつ」になっても不思議ではない状況だ。うつには、「自分で感じる症状、周囲からみてわかる症状、身体に出る症状」などがある。しかし日頃から上司も同僚も「声をかける、話を聴く」という気配りが何よりも重要といえる。
 マスコミでは『もしあなたがうつになった場合、会社ではどのような対処をしてくれますか。会社ではどんなメンタルヘルス対策をしていますか』と聞いている。またある新聞社でも、シリーズ『こころの病気』の中で、うつ・不安障害・睡眠障害・労働とメンタルヘルスなどをテーマにした記事を掲載し、メンタルヘルスへの関心を読者に促している。

ストレスとセルフコントロール

 職業生活におけるストレスなどの原因(図1)は、仕事の質・量の問題よりも、「職場の人間関係」がトップを占めている。またストレスによる健康障害を受けやすい性格もいくつか特徴がある。
  しかし一人ひとりの指標(物差し)が異なるため、心の健康度をいい状態に保つためにはセルフコントロールが必要だ。その手掛かりとして、「自律訓練、時間の管理、ライフスタイルの見直し」をする一方、「思考の空廻りを防ぐ、ゆとりを持つ、過ぎた時間は戻せない」という基本を心に留め、各自のセルフコントロールの方法を見つけてほしいと小原医師は説明した。

身体的健康と生活習慣

 心の健康のためには生活習慣の中で、特に8つの習慣(睡眠、喫煙、体重、飲酒、運動、朝食、間食、労働)を見直すことが重要だ。身体の健康を見直すことが、ひいてはストレス耐性を強くすることにもなり、心の健康にも深い関係があると説明。中でも「運動」(身体を動かすこと)と「睡眠」の改善が、重要だと力説した。
  最後に小原医師は「1日24時間を上手に使い(図2)、栄養、休養(睡眠)、運動のバランスをとることが、健康でいるための条件です(図3)」と話し、講演を終了した。
  講演後、「インフォメーション」として、当協会で行っている「こころとからだの総合支援―健康管理型メンタルヘルス」について担当の高清水幸美保健師が紹介した。 
  

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