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健康かながわ

 
 産業保健活動の向上を目的に行われている『かながわ健康支援セミナー』の第3回目が、神奈川中小企業センタービル・多目的ホールで9月25日に開催された。講師は、大ヒットした『腹だけ痩せる技術』の著者で健康運動指導士の植森美緒氏(写真右)。話題の講師とあって、会場は満席となった。
  会の冒頭には、当協会のメタボ外来に関するインフォメーションがされ、事業場での従業員の健康管理に携わる担当者、79団体98人の参加があった。

「ドローイン」とは

 今回の参加者の半数ほどが、「ドローイン」について知らないということで、基本的な説明で会は始まった。
  「ドローイン」とは、ドローは引く、引っ張る、インは内側という意味で、もともと腰痛治療の理学療法の世界で注目された言葉だという。スポーツ選手の体幹トレーニングにも取り入れられるなど、一躍脚光を浴びている。
  お腹を意識的に凹ますことで、ポッコリと出たメタボ腹が解消されるとあって、ダイエット方法としても注目度は高い

なぜお腹を凹ますといいのか?

 「お腹を正しく凹ませるのは、いつでもどこでもできる体幹トレーニングといえます。
お腹の一番内側で腹巻のように体を支える腹横筋をはじめ、腹直筋や腹斜筋、また、背筋群をバランスよく鍛えることができるのです。
筋肉は年とともに衰えやすく、腹筋も凹ませることを意識しないと、たるんでお腹が前にせり出してしまいます」ドローインは、行い方次第で広範囲の筋肉を刺激することができるため、メタボの改善に有効な筋肉トレーニングになるのだという。
  「本来筋肉は使ったなりに形状記憶をしていきます。ですからドローインによってお腹を凹ますことを繰り返していくと、普段のお腹が凹んだ形になっていくのです」と、植森講師。
  しかし、実際にやってみると結構難しい。「まずは正しい姿勢で凹ませて、次は大きく凹ませて、慣れてきたら、時間をどんどん長くしていきます。筋力がつくことで今より凹んだお腹になれますが、ついている脂肪そのものを落とすためには、長めに、持久的に凹ませて筋肉を使っていく必要があります」とアドバイスがあった。

指導のポイントは「正しい姿勢」と「息を止めない」こと

 休息時間をはさみ、ドローインの実践ということで、二人一組のペアを組み、互いの姿勢をチェックしながら、 実際にお腹を凹ませていくことを体験する場となった。
  「背すじを伸ばして肩を後ろに軽く引き、そのままの姿勢でお腹を凹ましていきます。息を止めないようにするために、あ・い・う・え・お~、声を出してみましょう」と、植森講師自らもお腹に紐を巻き、実際に凹ませてお手本を示す。ここでのポイントは、背中を丸めたり、肩を上げたりせず「正しい姿勢で凹ませる」ということだ。そして「時間をかけずに、普段の生活の中で体幹部の筋肉をいかに鍛えられるかが、リバウンドしないお腹ヤセの決め手」とも。
  実際、セミナーの前と後では、約9割の参加者のサイズが小さくなった。とりあえずは一時的な効果だというが、参加者はその有効性を体感したことで、普段の生活の中でお腹を凹ませようというモチベーションにつながったようだ。
  それと同時に参加者からは、指導する場合の視点に立った講師への質問も数多く出され、関心の高さをうかがわせた。
背筋を伸ばして、あごを上げないで…、実際に指導する植森美緒講師
お腹の凹ませ具合をチェックするために、事前に紐が参加者全員に配られた

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