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前のページへ戻るHOME > 法人向けサービス > 健康情報(法人向け) > かながわ健康支援セミナー>ガッテン流! 目からウロコの健康講座企画術
健康かながわ

エルからワルへ」。人を引きつけるキーワードを小出しにし、受講者の興味を誘った「健康講座企画術」。1月21日に開催された今年度6回目の「かながわ健康支援セミナー」では、高視聴率を記録しているNHK「ためしてガッテン」の元演出担当デスクの北折一講師を迎え、健康指導や講座で、心に刺さる情報を伝えるために必要な発想法やテクニックを学んだ。参加者は119人。 


伝えてはいけない?

「ためしてガッテンを見ていて、出演者が鋭い質問をするのは、台本にあるからだと思うかもしれませんが、じつは台本も打ち合わせもありません」と、高視聴率番組の元ディレクターならではの、人を引きつけるための企画術を話す北折講師。
  番組のリハーサルでは、16年間、裏方側ではなく出演者の席に座り、流れを見ていた。「伝える側」からのチェックだけでは見落としがある。わかりやすいか、誤解がないか、面白いか、「伝わる側」の視点を持つためだ。台本を読んでいない視聴者と同じ状態の出演者から、鋭いツッコミや疑問が出るように構成することで「一番知りたかったこと」に対する答えが聞け「納得感」が生まれる。そういうストーリーを作っていたとテクニックを明かす。

  セミナーでは健康指導をする人が対象者に行動・実践してもらえるよう、心に響く伝え方を学んだ。
  「肥満解消、介護予防などの言葉のように『○り○ち』が、ひとの気持ちを遠ざける」という。受講者は○に言葉を入れることで「参加感」が生まれ、この時、受動態から能動態になる。この答えは「ありがち」だ。指導する人が「メタボリック症候群とは…」と、ありがちな説明から入ると、お説教にも聞こえ、心に入ってこない。相手に伝わらなければ情報ではないと断言し「伝エルのではなく伝ワル情報にする」と手法を披露した。

  いきなりクイズを出題するのも効果的。人から「なんで?」「なんだろう?」を引き出し、常に相手の心理状況をコントロールして構成する、と話す。さらに細かいポイントをあげた。心をつかんだ瞬間に否定する「デモジャー方式」も有効。興味を持たせてから「でも、そんなに上手くいきませんよね」「じゃあ、どうするか」という展開で引きつける。
  次に「4つの感」を意識する。まずは「共感」。次に疑問の「なんだろう感」を煽り、わかりたい気持ちを増幅させ、答えを出すと「納得感」が生まれる。さらに「お得感」を加え満足度を高める。話の中で「お得がありそうな予感」を出すこともポイント。
  最も重要なキーワードは「ついつい」。「例えば生活習慣病は、ついつい、甘いものやたばこに手がのびることも要因。これに対し、脅しの映像や情報を提供しても効果が長続きしない。そこで、ついついウォーキングしたくなる、禁煙したくなるような内容で対抗する」と話す。話し方や文言の語尾も重要。「~ましょう」の「魔性の攻撃」は単なる命令。「~ですよね」は共感を強要できる、とアドバイスを送った。

数字も魔法の効果に

50g単位の体重計で計った体重のグラフをつける「計るだけダイエット」は、健康指導でも活用できると北折講師。
  内臓脂肪の増加で起こるリスクを話し「指導のときも、お説教から入らず、簡単にできる興味深いダイエットの話の後から病気の流れにすれば、人はお説教でも聞きたいモードになります」と手順を伝授した。

  講演で全国各地に足を運んでいる北折講師は、タイトルの付け方や資料の掲示の仕方についても秘策を述べる。
  ある栄養士が作った健康レシピ「豆腐と鶏ひきのレンジ蒸し」は「6分で本格ヘルシー中華!ふわふわ鶏豆腐」と料理名を変えるだけで「ついつい作りたくなりますよね」。

  市町村や企業の健康指導で、メタボ人口の割合、医療費などを数字の羅列で説明していることがあるが、伝え方にも技がある。例えば「この町で1年間にどのくらいの人が亡くなっていると思いますか?」「去年の経常利益○億に対して、医療費は○億ですよ」と自分ごとになるように話していく。「データを掲示すれば相手が動くわけではない。感情が動くように伝えれば記憶に残り、行動が変わっていきます」と説明する。
  健康を伝えるためには、「誰にどうなってほしい」という願いを明確にし、そのための戦略、戦術を考える。「発想の上達法が1つだけあります。死ぬほど考える。それだけ。みなさんの仕事は、人に健康で幸せになってもらう、すばらしい仕事。仲間とリラックスして作戦を考えることを楽しんでください」と締めくくり、会場から大きな拍手が起こった。

北折講師のホームページ
http://www.kitaori.jp


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