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健康かながわ

2月20日、横浜港運健康保険組合保健センターで第7回かながわ健康支援セミナーが行われた。このセミナーは当協会が年に7回、企業・団体の健康管理スタッフへ向け、最新の産業保健の情報を提供しているもの。今回は虎ノ門カイロプラクティック院院長・早稲田大学講師の碓田拓磨先生を招き「姿勢指導を成功させる5つのエッセンス」について指導いただいた。参加者は50団体から60人。 


正しい座り方が鍵

碓田先生が自己紹介を終え、参加者に「姿勢を良くしたいと思ったことがある方、いますか?」と尋ねると多くの手が上がった。「では、今までに悪い姿勢が直った方いますか?」と問うと1人も手が上がらなかった。
 姿勢改善ができないのは、姿勢が良くなる具体的な方法・目標・価値がわからないからと3つの理由をあげ、先生が改善方法を示した。
 正しい姿勢とは、前後から見ると背骨がまっすぐで、横から見ると骨盤が起立している状態。腰はやや前側に反り、背骨が緩やかなS字を描く。
 実際に正しい姿勢を理解するため先生の指導の下、参加者同士でチェックをした。(写真右下)壁に踵とお尻と背中をつけて立ち、真横から見て、肩が高く盛り上がっている中心部が真ん中にきているか確認する。そのほか、額と顎を結んだ線が壁と平行か、腰と壁に手のひら1枚分の隙間があるか、正面から見て頭や左右の肩・骨盤に傾きがないか確認し正しい位置を教え合った。
 「身体から間違ったデータ(クセ)を取り除いて初期化し、正しい情報をインストールして直す」と碓田先生。
 「姿勢指導を成功させる5つのエッセンス」の1つ目は、初期化にあたる「キャットレッチ」。猫背とは丸めているポスターのような状態で、反対に反らしまっすぐにしていく。方法は手のひらを上にし、お尻の後ろで指を組み、息を吐きながら頭を後ろに倒し肩を後ろに引く。
 2つ目は「イスの正座」。椅子の正しい座り方は足の裏をしっかり床に着け足首・膝・股関節の角度を90度にする。手のひらを上に向け、手を脚の付け根に置く。
 3つ目は、正しい座り方を維持するための「立ち座」と「引き座」。立ち上がっているときは骨盤が起立している。この腰の状態のまま座るのが「立ち座」。参加者は「引き座」(写真下)も体験しながら、正しい姿勢をインストールする方法を覚えた。
 4つ目は「注意すべき姿勢」。パソコンやスマートフォン操作などで長時間下を向いたままや猫背にならないように、と注意を促した。
 5つ目は「良い姿勢を手に入れる意味・価値を理解する」。身体への影響を説いた。「背骨の中に脊髄が通り、そこから全身に末梢神経が通っているため、姿勢が悪いと神経の働きが鈍くなる」と先生。例えば、首猫背の人はこの辺りから出ている交感神経の影響で、内臓や喉に影響を及ぼす。胸椎5~12番目は胃や肝臓など、仙骨から出ている副交感神経は生殖器などを司っている。また腰を丸めると本来のS字カーブと逆になり、骨と骨の間にある椎間板が押されて飛び出し神経を圧迫する。これが椎間板ヘルニアだ。

姿勢は身体の表情

「健康でいたい、ピアノやサッカーなど、思い通りに手足を動かしたいなら神経を整えること。つまり姿勢を良くすることが大切です」と先生。
 姿勢はメンタルとも密接な関係があると話す。強制的に笑う表情を作るだけで、脳が「楽しい」と判断し活性化されるが「姿勢は身体全体の表情、もっとも強力な身体性がある」という。先生が過去に行ったアンケート調査でも、背中を丸めた状態より伸ばした状態の方が前向きな気持ちになりやすいとの結果が得られた。
 「良い姿勢の価値がわかったと思うので、皆さんが見本となって正しい姿勢を広めてくれることを願っています」と参加者に伝えた。


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