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健康かながわ
第7回かながわ健康支援セミナー(主催・当協会)が、2月20日、横浜情報文化センターで開催された。今回は、保健師で(株)ウェルネスライフサポート研究所・加倉井さおり代表取締役(写真)を講師に迎え、「自分も周りも勇気づけるコミュニケーション~イキイキした保健活動をするために~」と題した講演を行った。
 当日は48団体から55人の参加があった。
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自分自身を勇気づける言葉を持つことが自分を強くする

「人は、勇気づけられるとどうなると思いますか?」という加倉井講師の問いに、参加者たちは隣り合う人と話し合い始めた。  「やってみようかという、前向きの気持ちになれます」という参加者の言葉を受け、「人は勇気づけられると、目の前にある困難を自分で乗り越えようと行動します。保健相談とは、相談に来た人が、健康問題や人生の課題に自ら立ち向かえるように支援することだと私は思います」という言葉にうなずく参加者。
 「以前の私は、保健相談で自分がいいたいことをいっぱいアドバイスしていました。でも、相談室はいつも人が来てくれない状態で、自分はこんなにやっているのになぜなんだろうと思っていました」。それがある時、その原因に気づかせてくれる出来事があり、そこから『アドラー心理学』に出会って学んだヒントが、〝勇気づけ〟だったと加倉井講師はいう。
 「では、勇気づけるためにはどうすればいいですか?」と再び講師の問い。
アドラー心理学にはいろいろな言葉があるが、一番心に響いたのが〝自分を勇気づけられる人だけが、他人を勇気づけられる〟という言葉。まずは自分を勇気づけることが、人を支援する自分たちにとって大切なベースになると講師は話す。
 自分を勇気づける習慣を身につけること。そのためには、勇気をくじく自分の心のクセ(表1)を知り、意識して直していくようにする。「その考えは、本当に自分を勇気づけてくれるのか? を自分に質問し、そうじゃない考えは手放していい」と講師。
 また、勇気づけのスキルとして、「リフレーミング」という手法についても説明があった。
 「本人がマイナスだと思っていることを、プラスに変えていくことがリフレーミングです。私たちは言葉によって人を勇気づけていくことができます。
 例えば〝失敗〟ととらえられていることを、〝二度と間違えないための経験である〟〝これからどうしたらいいのかの学び〟〝うまくいかない人の気持ちがわかる経験〟〝成功するためのプロセス〟など、プラスに発想転換することにチャレンジしてみてください」。
 1つの枠組み(フレーム)にとらわれず、多方面から考え、プラスの方向に持って行くこの手法は、自分も、相手も勇気づけることができるという。
 「起きる出来事はすべて必然であり、自分を成長させ、幸せにするために起きているのだと思い、ストレスを力にする。これが加倉井流・自分を勇気づける考え方です」。

 

周りを勇気づけるためのコミュニケーション

人を勇気づける場合、前提条件があるという。①勇気づける人の態度。表情など言葉以外(非言語)のコミュニケーション ②勇気づける人と勇気づけられる人との日頃の関係性 ③相手の関心に関心を持つこと。なかでも③は、「愛の反対語は無関心。これはマザーテレサの言葉ですが、人は自分に関心を持ってもらえないことほど、勇気がくじかれることはありません。相手の関心に関心を持つことが何より大切です」と加倉井講師。そして勇気づけのスキルとして『傾聴』がある。
 「傾聴は、信頼関係を築くとても大切なポイント。話を聴いてもらったという満足感が、またこの人に会いたいと思ってもらえ、信頼関係を築く入口です。絶好の勇気づけのチャンスなのです」といい、ほかにも、『承認』や『質問』など、勇気づけのためのスキルを紹介した。
 そして大切なのはスキルの前に、マインド。5つのマインド(表2)を心に持って人と関わり、そのうえでスキルを使う。マインドがあるかないかは、相対したときに伝わるという。
「人は心が動くから行動が変わるんです。みなさん方が各職場に戻って、自分自身を勇気づけ、この人に会えたから勇気づけられたなぁというような、いきいきとした保健活動を続けていただけたらと思います」と結んだ。。
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