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健康かながわ

  第6回かながわ健康支援セミナー(主催・当協会)が、1月23日にグランベル横浜ビル(横浜市中区)で開催された。講師に東京工芸大学芸術学部教授・厚木市文化振興財団理事の大島武先生を迎え、「プレゼンテーションマインド」をテーマに、さまざまなコミュニケーションの場面で役立つ技術について講演していただいた。52団体72人の参加があった。

わかりやすく話すコツ

「プレゼンテーションとは、相手に“情報”という“プレゼント”をあげることです。相手が喜ぶものを一番に考えてコミュニケーションをとる。これが『プレゼンテーション・マインド』です」と大島講師。
 相手に喜んでもらうためにはターゲットを絞り、自分の話したいことではなく、その人が求める内容を考えて話す、聞き手本位の姿勢が重要だという。
 もう1つ心掛けたいのが、「わかりやすさ」。人は難しいと感じた瞬間に心を閉ざしてしまうので、表1の「わかりやすく話すための7ヵ条」を意識してプレゼンテーションをすると、聞き手の満足度が違ってくる 。

心をつかむメソッド

では、どうしたら聞き手の心をつかみ、引き付けることができるのだろうか。鍵となるのが、「話の組み立て方」「根拠の提示」「タイムマネジメント」「表現技術」「ビジュアルの活用」だ。まず話の構成は、導入・本論・結びの順に組み立てる。
 「一番緊張するのが導入部分なので、いい慣れない言葉は避け、緊張しても絶対に間違えない自分の名前を最初に名乗ると、気持ちと声のトーンを整えやすいです」と大島講師はいう。話の概要は導入部分で伝え、本論は3本柱で組み立て、各柱には具体的なデータを付ける。結びはサラッと終わらせ、格言など心に残る一言を添えるとベストだ。
 根拠の提示は、相手に負担を強いる提案を通すときに力を発揮し、確かな根拠と前向きな結果を示すと同意を得やすくなる。
 また、タイムマネジメントが苦手な人は、冒頭で講演の時間配分を告げ、スライドは少なめに作り、時計を見ながらトークで時間を調整するのがポイント。今回のセミナーも、合間に質問やゲームを盛り込んで、「与えられた時間を過不足なく使う」という講師のアドバイスどおり、制限時間ぴったりに終了した。
 さらに、聞き手を飽きさせない表現技術についての説明があった。例えば話し方は、ゆっくりと間を取って、適度なメリハリをつける。またアイコンタクトも有効だ。人は見られていると緊張感が続くので、参加者と視線を合わせるアイコンタクトがなかだるみ防止に役立つ。笑顔も効果的で、「人は、自分に好意的な相手の話は聞こうとするので、ぜひスマイルを作ってください。意図的にね」とアドバイスがあった。
 セミナー中、突然「右手を頭に乗せて、その手を顎までスライドして」と大島講師。いわれたとおりに行ったつもりが、9割の人が手を頬で止めて不合格。実は講師、言葉では「顎までスライド」といいながら、実演では右手を「頬でストップ」していた。つまり、人は聴覚より視覚からの情報を優先していることになる。このことから、プレゼンテーションではビジュアル(スライド)をうまく活用したいという。まずスライドを提示し、「見せたら3秒黙ってみる」と記憶に残りやすいらしい。
 効果的なスライド作成のポイントは、1文章よりキーワード中心 2言葉で説明しにくいことを図やグラフで整理する 3余分な情報は入れずに色は同系色でまとめる 4画像を使いインパクトを出すこと。この4点に注意したい。
 最後に、質疑応答を円滑に進める秘訣について「質問者と回答者の間に2人だけの世界ができると、質問者が反発しやすい状況が生まれます。それを避けるためには、質問された内容を自分の言葉でいい直し、全員に向けて発信。回答も全員に向けてして、最後に質問者にこれでいいか確認をします。また、答えられない質問や答えに詰まった時はごまかさず、その場は謝って後日回答するなど、誠意を伝えることが大切です」と大島講師はまとめた。。

 

 

 


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