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前のページへ戻るHOME > 法人向けサービス > 健康情報(法人向け) > かながわ健康支援セミナー>よくわかる!メンタルヘルス不調の復職支援のコツ
 
健康かながわ    
メンタルヘルス問題では、休業した従業員の職場復帰とその支援に難しさを感じている事業所は多い。2月7日に神奈川中小企業センターで開催された「かながわ健康支援セミナー」(主催・当協会)では、アズビル(株)統括産業医の難波克行先生に、スムーズな職場復帰と、再発防止のための効果的なツールについて講演をいただいた。77団体100人が参加。


個々のケースと段階的な対応

講師の難波克行先生は東京大学大学院客員研究員、医学博士で総合病院内科医を経て15年にわたり大手企業の産業医を務め、現在アズビル株式会社の統括産業医。全社的な安全衛生の整備とともに、メンタルヘルス対策に注力して、人事担当者向けセミナーの講師や多数の著書を上梓している。
 「長年の取り組みの中で、復職支援に共通するものがまとまってきた」と語る難波先生。
 第1部では復職支援の理解をテーマに、「復職支援の流れの理解」「よくある失敗とその原因」「健康管理の基本的な仕組み」と、実際に事業所でありがちな問題を洗い出し、それについての対応を考えた。
 メンタルヘルス不調の職場復帰支援はいろいろな段階がある。期間は長く(図1)、休業した従業員の症状や経過、職場の業務や人間関係、産業保健スタッフや人事の取り組みなど、個々のケースによってまちまちである。その段階ごとでつまずいたり、問題が生まれるので、それぞれどのように対応すべきか知っておく必要がある。
 一番再発のリスクが高いのが、十分回復していないのに復職してしまうケースである。復職後十分体調が戻っていないのに、仕事の分担が多かったり、本人が仕事をやり過ぎてしまう場合である。
 従業員から復職の希望があっても、ただちに休職前の業務に復帰できるものではなく、復職後も業務調整や就業制限を設けるなど段階的に時間をかけて行うことが必要である。
 従業員の健康管理の基本的な仕組みとして、従業員の健康問題に対して、事業者(会社)は、従業員の健康問題が続いている間、従業員と産業医との面談、産業医からの意見聴取、就業上の措置の実施を繰り返すことが求められる。この際、産業医、人事労務担当者、当事者らをこの仕組みにスムースにのせるのが産業保健スタッフの役割。メンタルヘルスの問題に限らないが、事業者が安全配慮義務を果たすには3者の関係を意識する必要がある(図2)。 
 ただし、復職支援をめぐる環境は企業によって異なり、調整役は会社によって違う。可能な人がやることが大事である。

判断の基準と生活記録表

第2部では「体調の悪そうな部下に声をかける」「休職について職場のメンバーに説明する」「復職可否の判定」という3つの具体的な場面について、クイズ形式で最適な対応法について考え、それに伴うグループワークでそれぞれの視点を整理し理解を深めた。「復職後に、風邪を引いてちょくちょく休む」など、いろいろな場面ごとに対応のポイントを説明した。
 ここで鍵になることは、それぞれの場面での職場の対応とともに「復職の判定基準を決めておく」ことにある。さらに判断基準を産業医に伝えて共通認識とし、主治医と会社側の復職の判断が異なる場合の考え方や対応も整理しておくことも大切であるという。 「復職の判断材料には『生活記録表(図3)』がお勧めです。ただ、基準をちゃんと決めて、産業医と共有しておかないとうまく使えません。そこをしっかりと運用していれば、役に立ちます」と難波先生。
『生活記録表』は復職に備えて準備している期間中毎日の時間ごとの行動の記録。睡眠時間、食事時間、外出の時間や外出先、数値化した気分の評価や、活動度、備考などをまとめたものである。
 この記録で従業員の復調の度合いを関係者が共有することができる。産業保健スタッフと人事側の認識が異なる時にも有用である。
 また、あらかじめ復職後の業務の計画を作っておくことも大切。半年くらいの業務計画をつくると、本人への説明にも役立ち、さらに別の事例でも利用できる。
 メンタルヘルス不調の職場復帰はケース・バイ・ケースの判断が多く、共通の情報として認識し、判断するためにはいろいろなツールが必要である。参加者は、これらのツールを使って評価し、見える化した情報を共有することが復職支援の近道であることを理解した。

 

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