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健康かながわ

 あけましておめでとうございます。昨年は千年に一度の大災害といわれる東日本大震災がありました。あらためて被災されました方々にお見舞いを申し上げますとともに、私たちもこれから何をなすべきなのかを考え、思いを新たに新年を迎えたいと思います。
  さて、今年の新年号では、当協会常勤顧問の鈴木忠義に、「健康長寿」をめぐって、「健康を創造すること」について語ってもらいました。皆様も健康長寿をめざした良い一年をお送り下さい。(編集部)東日本大震災により、東京電力福島第一原子力発電所で事故が起きた。大量の放射性物質が飛散し、私たちの健康に影響が及ばないか大きな関心事になった。今年の健康・医療問題のトピックといえば、まずこれが挙げられる。現在の科学では健康影響について確実なことが言えない部分もあり、私たちの不安は解消されないままだ。(読売新聞東京本社科学部次長・佐藤良明)

『ピンコロリせめて子等への思い遣り』
【特選】逗子 木村友也
【評】ピンコロリは作者の造語かも?とネットを開くと、ピンコロリ研究会、法人、成功術教室など、多岐にわたり驚いた。ピンコロリを知らない私を感銘
させたのは、己亡き後までへの親心である。
[神奈川柳壇2011/11/6(日)神奈川新聞]

 

長寿者大国

 4年前の正月号で、「長寿の夢」をお届けしました。その際一休和尚の『門松や 冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし』を頭におきました。今回は一転して現代の川柳を紹介しましょう。

  一休和尚は自分の行き先を気にすることのみですが、現在の句作者は残されたものへの心遣いという背景です。
  老人の定義は世界中で65歳以上ですが、その数値はわが国は昭和25年の5%を経て、現在は23%(平成22年)、そして20年後は32%、40年後は40%なのです(表1)。

  老人といえども生きている限り生活費を必要とします。健康状態が悪くなれば医療費・介護費を上積みしなければなりません。現代社会ではそれを賄うのは年金と医療保険・介護保険です。いずれも社会保険の仕組みを基本に考えるので、収入のある生産年齢層(世界的には15歳~64歳、日本の現況は高学歴社会なので15歳~20または22歳を除外すべきですが)です。

  この生産年齢の人口はかつて60%、現在64(20歳以上とすると59)%。40
年後51(48)%です。老人一人を養う働くものの数はかつて14 人。現在2・6人、40年後1・2人となるのです(図)。

健康は与えられるものではない

 私達は65歳に達するまでに母の体内時代から、出産時、新生児期、乳幼児期、少年期、思春期、青年期を無事に通過し、30歳代後半に始まる疾患(高血圧、 心臓病、がん)を何とかくぐり抜けて来ました。この3疾患はかつて成人病の名がありました。

  しかし発病までの生活習慣が大きく関連するとして生活習慣病と名前を変えました。望ましい生活態度、望ましくない生活態度との意識が強まります。そ して老年期までのまだ大丈夫の気持ちが油断を呼ぶ、と小児期、思春期、青年期の生活習慣への関心を喚起したのです。
 

健康は創造するもの


  私達は例えば車の運転では歩行者保護、曲線通過、交差点通過に回避や徐行をします。知っているから無意識に行うのです。しかし怠ったら、事故!!に繋がります。健康も同じです。では何を注意するか。
(1) 生活習慣その1 
   日常生活

① 休養、睡眠 社会生活の中で、個人生活の中で心掛けるものです。
② 運動 いわゆるスポーツだけではありません。日常生活の動作の中で積み上げるものです。
(2) 生活習慣その2 
   食生活

  食事とはなんでしょうか? エネルギーの補給、成長・生殖の材料です。でも生物的なものだけではありません。家族、職場、その他対人接触の重要な場です。
(3) 食事と健康
  食事のもつ必要性はいま挙げたとおりですが健康上は肥満です。預貯金と同じです。
  収入-支出=±0すなわち収入=支出≧0貯金(肥満)、≦0借金(やせ)
(4) 発がん因子
  ドール博士はがん死亡の最大因子は食事だといいます(表2)。

老いて健やか

 
 健康寿命の考え
  老化は避けられない。だが老いて健やか、ある日コロッとということを夢見ています。
 
  これからわが国は人口の4割が老人という時代になります。この大量の老人が医療・介護を必要としたら次の世代の負担もまた膨大です。
  私はせめてわが子や孫に、社会保障費という経済負担や、介護という家族的負担を残さず、この世に別れを告げたいと考えるのです。
 
  そしてサミュエル・ウルマンは「人は歳月を重ねただけでは老いない。理想を失った時に老いる」と謳いました。そのためには(1)社会的関心を絶やさない。具体的には活字に親しむ。さらに(2)身体を動かす。家事を始め日常活動を積極的に行う。そして(3)食事は種類を多く量的には少なく。

  何事も欲張らず、そこそこ程々でいい、ということが健康を創ると私は考えています。

 

(健康かながわ2012年1月号)

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