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乳がん検診におけるマンモグラフィ

image平成15年度第5回健康管理懇談会が12月12日、松村ガーデンホール(横浜市中区)で開催された。今回は聖マリアンナ医科大学乳腺・内分泌外科の福田護教授(写真)を講師に迎え、「乳がん検診におけるマンモグラフィの現状と今後の展開」を、また当協会放射技術部の三好恭子主任が放射線技師の立場から「マンモグラフィの精度管理」の講演を行った。産業保健分野の衛生担当者など36団体45人が参加した。

平成15年の8月頃から新聞紙上などマスコミで大きく取り上げられてきた乳がん。講演の冒頭、聖マリアンナ医科大学乳腺・内分泌外科の福田護教授はこの一連の乳がんに関するキャンペーンについて次のように語る。「乳がん検診に対して国民や行政の意識が大きく変化して、乳がんに対しての現状がようやく認識され始めた。私はこのことはわが国の乳がん検診の夜明けと捉えています」。

女性の罹患率第一位は乳がん。「現在、3万5千人の方がかかり、ほぼ1万人の方が亡くなっています。しかも欧米では閉経後に多いとされていますが、日本では40歳代後半から50歳代の働き盛りの方に多い特徴を持っています。女性にとって乳がん検診は急ぐべき課題として認識されたのです」と福田教授。 では乳がん検診の目的はというと「乳がんからの救命」、つまり死亡率の減少であり、早期発見が重要となる。それに伴い機能温存やQOLの維持の可能性も広げる。その早期発見のためにも「エビデンスのあるマンモグラフィの導入が必要です」という。

しかしマンモグラフィを導入するにはまず費用の問題をクリアする必要がある。それと同時に一定レベル以上の機器、技師の撮影能力そして診断する医師の読影能力が不可欠とされ、検診を実施するには精度管理が重要となる。そのため日本乳癌検診学会、日本乳癌学会など6学会で「マンモグラフィ検診精度管理中央委員会」が組織され、認定をし、ホームページ上で公開している。「病院も認定していますが、病院はあくまでも治療機関であって、乳がん検診は健診機関で行うということです」と福田教授。

当協会はこの3条件をクリアした全国でも数少ない健診機関である。 最後に福田教授は、20歳から自己検診を呼びかけ、今後視触診、超音波検査も組み合わせた30歳からの乳がん検診の構築も考えていく必要があると講演を行った。

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