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個人情報保護法の対応 -産業保健現場でおこりそうな問題と解決

かながわ健康支援セミナーが8月27日、松村ガーデンホールで開催された。講師に産業医科大学産業保健管理学・堀江正知教授を迎え個人情報保護法の対応-産業保健現場でおこりそうな問題と解決策」のテーマで講演が行われた。  このセミナーは神奈川県予防医学協会が事業所の健康管理担当者を対象に、最新の医療や健康管理に関する情報を提供するもので、当日は135団体から163人が参加した。セミナー後半部では当協会の個人情報保護法への取り組みについて企画調整部部長・小池慎也から情報提供が行われた。

2003年5月30日、個人情報保護法が公布、施行された。施行は段階的に進められ、法律の第1章から第3章までは公布の日から、第4章から第6章は2005年4月1日に施行が予定されている。全面施行を受けて、個人情報取扱事業者に対する義務が発生する。

これにより、企業における個人情報の取り扱い方が厳しく問われるようになる。 個人情報取扱事業者に該当すると、次のような義務が課せられる。

①利用目的をできる限り特定すること(15、16条)
②個人情報を適正な方法で取得し、利用目的を通知すること(17、18条)
③データの内容の正確性を確保すること(19条)
④データを安全管理し、従業者・委託者を監督すること(20~22条)
⑤第三者提供を制限すること(23条)
⑥公表等、開示、訂正等、利用停止等(24~27条)
⑦苦情の処理をすること(31条)
⑧主務大臣の関与を受けること(32~35条)。このように、個人情報取扱事業者には多くの義務が課せられ、違反をすれば罰則が科せられることになる(ただし第50条1項より、報道、著述、学術研究、宗教活動、政治活動の用に供する目的で個人情報を取り扱う報道機関、著述を業として行う者、学術研究機関等、宗教団体、政治団体については、個人情報取扱事業者義務は適用除外)。

目的を明確に

健診やレセプトを取り扱う健保組合や法定健診結果などの個人情報を扱う企業はもちろん同法の対象であり、特に健康情報は「センシティブデータ」として高いレベルでの保護が要求されていることはいうまでもない。
堀江教授が委員を務める厚労省「労働者の健康情報の保護に関する検討会」では労働者の健康に関する個人情報「健康情報」の保護のあり方について検討を重ねており、間もなく最終報告が出される予定。 そのなかで労働者の健康情報を取り扱う際の事業者の義務として最初にあげられるのが「目的の特定」である。

これは「利用の目的をできる限り特定しなければならない」という個人情報保護法第15条を受けてのもの。まずおさえておかなければならないのが法定の健診の目的である。それは「事業者が適切な措置を講ずることにより、労働者が健康を確保しながら就業すること」となる。法定外の健診やその他の健康情報の収集については、それぞれ具体的かつ個別に目的を特定することが求められている。

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