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心のスイッチ -心の状態は自分で決められる

imageながわ健康支援セミナーが11月11日、松村ガーデンホールで開催された。講師に平本相武氏(有限会社エグゼクティブコーチ代表取締役)を迎え「心のスイッチ-心の状態は自分で決められる」のテーマで講演が行われた。
このセミナーは神奈川県予防医学協会が事業所の健康管理担当者を対象に、最新の医療や健康づくりに関する情報を提供するもので、当日は100体から119 人が参加した。

講師の平本相武(あきお)氏は東京大学大学院(臨床心理)修士課程修了後、1997年に渡米。米国でコーチングのトレーニングを受け、最新の心理療法も学び2001年9月帰国。現在、プロ・コーチとして活動中である。
平本氏のコーチングとは単なる部下指導の手法やコミュニケーションスキルやビジネスの方法論ではなく、ビジネスとパーソナル、いずれをも含む「人生全体」を取り扱い、クオリティー・オブ・ライフを引き上げるコーチングを展開している。

「心の状態は行動に影響します」と平本氏は言う。今年、大リーグのシーズン安打記録を更新したイチロー選手の最大の強みは、自分の心の状態をコントロールできることにある、と言う。打席ごとに気持ちを切り替え、前打席が三振であったとしても常に「心をリセット」して打席に立って、結果をだせるのがイチロー選手なのだ。

多くの人は頭の中で自問自答を繰り返し、心の状態を低下させる。「なぜ、できないんだろう」「どうして駄目なんだろう」という問いを自分自身で発し、自分のなかで疑問も無く持ち続けている思い込み(前提観念)によって「できない」という答えを導き出す。このパターンをたどっているうちは心の状態は良くはならない。
可能か、不可能かを問うのではなく「どうやって」と問うことが心のスイッチを切り替えるひとつの方法だ、と平本氏は言う。

例えば早朝からの会議に出席するとしよう。「なんで朝っぱらから会議なんだよー」という自問自答が始まる。これは<会議はおもしろくない>という前提観念が働いている。こういう時に「どうやって会議を短く行うか」「どうやって会議をおもしろくするか」という問いを発すると心の状態は変わってくるのだ。
前提観念を変えるためには思考のパターンを変えていくことが大切。①事実は何か②その事実による制約は何か③その制約の中で何ができるか、というのは前提観念に支配されやすい「従来型」の思考パターン。この思考パターンは「できない」理由を導き出しやすい。
①本当はどうなりたいか②事実は何か③その事実を活かして何ができるか、を考えるのが前提観念の支配を受けにくい思考パターンとなる。

人はどうしてもネガティブな面に目が向いてしまいがちだが、うまくいかない時こそ「本当はどうなりたい」という問いを発し、自分の行きたい方向を「意識づける」ことが大切になってくる、という。

また心の状態を変えるためには姿勢や声、表情、身体の動きなども大切になってくる。肩を落として、がっくりとうなだれた姿勢では気持ちはわきたたない。大きく伸びをしてにっこり笑うことで気持ちが切り替わる。大切なことは自分がどのようなパターンで自分自身の気持ちを落ち込ませているのか、に気づき、気づいたら別の方法を試してみる、ということ。いつも何気なく出ているため息に気づいたら、ちょっと伸びをして「ヨシッ」と声をだしてみる、こういったことで心の状態は上向いてくる。  

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