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健康かながわ

加齢と食育

第2回かながわ健康支援セミナーが、9月18日横浜商工会議所で開催された。共立薬科大学薬物治療学講座の柴崎敏昭教授が「加齢と食育―とくにサプリメントに注目して―」をテーマに講演を行った。このセミナーは神奈川県予防医学協会が事業所の健康管理担当者を対象に開催しているもので、今回のセミナーには40人が参加した。柴崎教授の講演内容を報告する。(文責‥編集部)

食を通して日本人の優れた文化を理解し、豊かな社会を実現するために、従来の知育・徳育・体育の3本柱に食育が加えられた。
人は加齢と共に必ず病気に罹患し、免疫能や臓器機能、体力や生活の質(QOL)が落ち、死に至ることを自ら認識している。したがってより健康で賢い人生を歩むためには食事と運動が重要となる。QOLを維持し健康な生活をするためには、特に食事のバランスが重要である。

高齢者の栄養不足を補う方法の1つとしてサプリメントの利用がある。さらにサプリメントは、健康維持や健康増進、疾病予防など、多くの効果が求められている。ところがサプリメントには適応基準や評価基準が明確に示されていない上、服薬中の薬剤との相互作用や、喫煙・アルコールとの関係、さらにはビタミン過剰摂取による障害など、個別化適応の検討が全くないので、摂取には十分な注意が必要である。

加齢と共に日常生活で罹患しやすい疾病や回避しにくい老年症候群の基盤となる病態には、サプリメントの有用性が期待されている。しかし薬のような効果を期待するものではなく、効果の期待しすぎは禁物。
サプリメントは、成長や発達、健康維持に必要な栄養成分の補給や補完をするもの。あくまでも食生活を改善するきっかけとして利用し、日常生活のバランスよい食事や運動の実践に努めることが大切であると柴崎教授は講演を行った。

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