法人向けサービス
前のページへ戻るHOME > 法人向けサービス > 健康情報(法人向け) > かながわ健康支援セミナー > 特定健診・保健指導スタートに向けての産業保健スタッフの準備
健康かながわ

特定健診・保健指導スタートに向けての産業保健スタッフの準備

第7回かながわ健康支援セミナーが、3月14日(財)神奈川県予防医学協会で開催された。労働衛生コンサルタント事務所オークス所長の竹田透医師が「特定健診・保健指導スタートに向けての産業保健スタッフの準備」をテーマに講演を行った。このセミナーは神奈川県予防医学協会が事業所の健康管理担当者を対象に開催しているもので、今回のセミナーには77団体95名が参加した。竹田医師の講演内容を報告する。

まず平成20年度から導入される特定健診・特定保健指導について、概念、制度、診断基準などの基本的事項について再確認が行われた。それを踏まえて、産業保健活動と特定健診・特定保健指導との関わりについて解説が行われた。

産業保健活動の目的

image産業保健活動の目的は、労働者が健康を維持しつつ労働を行うこと、事業者が安全配慮義務を果すことである。そのサポートを行う産業保健スタッフの実際の活動内容としては、過重労働対策やメンタルヘルス対策、健康診断の実施や事後措置、などである。

一方、特定健診・保健指導の目的は生活習慣病予防である。
産業保健活動での労働者の健康維持という目的は生活習慣病予防と共通する部分もある。しかし、安全配慮義務という目的は、特定健診・保健指導の目的とは一致しない。このような関係の中、事業者や産業保健スタッフは特定健診・保健指導に向けどのような準備を進めればよいのか。

事業者・産業保健スタッフが行う準備
右の表に沿いながら解説が行われた。

①産業保健活動で行う準備
特定健診の導入に伴い、安全衛生規則で規定されている検査項目も変更される。雇入時健診の腹囲測定などスムーズに導入できるよう準備が必要である。教育も準備の1つとしてあげられる。特定保健指導を受ける側がメタボリックシンドロームや制度について正しく理解していることは、その後の保健活動を進めていく上で、重要なことである。安全衛生委員会などの機会を利用して教育を行い、円滑に保健指導を導入できるようにすることは、保健指導の実施義務のある保険者にとっても直接のメリットがあるが、労働者の健康確保にもつながり、事業者にとっても有益な活動となる。

②保険者との連携
今回の制度の実施者は保険者である。そのため、保険者との連携を進めるための準備も重要である。事業者は健康診断結果を保険者に提出する必要が生じる。人間ドックなどで多項目の検査を行い、結果を紙ベースで提出する場合がある。この時、特定健診に関わる項目は提示できるが、それ以外の項目も同時に提示される可能性もあり個人情報保護上の対応が必要となる。

産業保健スタッフが協力できることは

産業保健スタッフが協力できることとして一番に考えられるのが保健指導の実施である。
しかし、産業保健スタッフが今回の制度に関わる場合、「あくまでも産業保健活動を優先する」ことを忘れてはならない。そのため、まずは、産業保健本来の業務をきちんと整理し、活動内容を改めて確認すること。そして、産業保健活動に要する時間を確保した上で、特定保健指導等に関与できる時間があるかどうか、きちんと確認することである。そこではじめて、どのような協力の方法があるかを考えるべきであると強調されていた。

そして、やはり保険者との話し合いが必要である。保険者と事業者の間でどのような方針で今回の制度を進めていくか、事業者や保険者に対して産業保健スタッフとしてどのような協力ができるかをお互いに理解する必要がある。その上で保健指導の受益者(労働者・被保険者)にとって最良の方法を検討することが大切であると結ばれた。

当協会から情報提供特定保健指導体制と帳票類の変更について

特定健診・特定保健指導について協会での体制について情報提供が行われた。

特定保健指導については保健師の高橋美世から説明が行われた。協会では、積極的支援として個別支援をベースとしたプログラムを3コース、グループ指導を取り入れているコースを1コース準備している。個別支援ベースのプログラムでは、従来から協会で行っている6ヶ月間の個別健康支援プログラムを基本としている。このプログラムは、生活プロフィールなどの聞き取り、初回面接、継続支援として個別面接4回、通信2回からなっている。その間、効果の確認のための採血も3回実施する。このコースはかなり綿密なプログラムであるため、面接回数などを減らしたコースを設定した。

動機付け支援でも個別支援とグループ支援を各1コース設けている。

特定健診の導入にあたっての準備では情報処理部部長の斎藤好子から帳票類の変更についての説明が行われた。受診票では特定健診受診対象者には問診項目の追加が行われている。結果票では特定健診の項目に印を付ける、メタボリックシンドローム判定欄の設定を行うなどのレイアウト変更がなされている。裏面も、特定健診やメタボリックシンドロームについての説明事項を入れたと解説を行った。

中央診療所のご案内集団検診センターのご案内