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健康かながわ
今年度第1回目の「かながわ健康支援セミナー」(主催・当協会)が、5月30日に、神奈川中小企業センタービル・多目的ホールで開催された。
 講師には、労働衛生コンサルタント事務所オークスの竹田透所長を迎え、6月1日からの労働安全衛生規則の改正を基に、今後の産業保健活動のあり方について講演した。当日は、50団体60人の産業保健に携わる方々の参加があった。

規則改正の背景とポイント

厚生労働省が実施している「産業医制度のあり方に関する検討会」の委員の1人である竹田講師から、今回の規則改正の背景とポイントが語られた。
 主だった改正点は、以下の3点。①産業医による職場巡視の頻度を現在の毎月1回から、一定の条件を満たすことにより2ヵ月に1回に変更可能 ②産業医が健診結果について就業区分判定を行う上で、必要となる情報の提供を事業者に義務付ける ③長時間労働を行った労働者について、産業医に情報提供を行うこと。
 職場巡視の回数を減らすことは、産業医の負担を減らすことを念頭においてのことだが、「職場巡視が産業医にとって情報収集の場であると考えれば、提出された書類を見るより、月1回行ったほうが効率的だということもあります」と講師。
 また、3月にまとまった「働き方改革実行計画」についても竹田講師は触れ、過重な長時間労働やメンタル不調などによる過労死リスクの高い労働者を見逃さないよう労働政策審議会で『労働者の健康確保のための産業医・産業保健機能の強化』(表)を現在審議中だと紹介した。(※その後6月6日に厚生労働大臣に建議された)
 「現在60歳以上の就労者が増加し、職場でのつまずき・転倒などの事故も増えています。また、がんなどの疾病治療と職業生活の両立支援も、産業医の重要な職務になってきます。今後、産業医が対応すべき業務量と専門性はますます増加。限られた時間の中で、事業場での労働衛生管理を効果的に運用するには、産業医・歯科医師、看護職、衛生管理者、作業環境測定士、心理職、事務職員など、産業保健チームによる対応が重要です」と講師。
 さらに、産業医の資質向上ためのプログラムと、嘱託産業医の負担感を解消するために業務負荷に見合う対価の必要性を、今後の課題とした。
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