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健康かながわ  

第2回かながわ健康支援セミナー(主催・当協会)が、8月23日に横浜情報文化センターで開催された。今回は「忙しい人でも実感できる瞑想効果~思いついたら始められる心の切り替え方」をテーマに、RESM新横浜睡眠・呼吸メディカルケアクリニック副院長で、「林香寺」住職の川野泰周医師(写真)がここ近年、注目を集めている心理療法「マインドフルネス」について解説した。当日は69団体97人の参加があった。

セルフコンパッション(自慈心)があってこそ

集中力の向上やストレス軽減といった効果によりビジネスや医療、最近では教育分野でもマインドフルネスは注目されている。医学的なエビデンスとしては、うつ病寛解後の患者をマインドフルネス療法と薬物療法を行う2グループにわけて再発率を調査したところ有意差が認められ、マインドフルネスが人の心の回復に役立つことが科学的に証明されている。マインドフルネスとは、「意図的に、今この瞬間に、判断せずに、注意を払う」ことをいう。そして、「マインドフルネスは、アウェアネス(気づき)とアクセプタンス(受容)の両立。瞑想は集中だけが目的ではなく、集中できない自分に気づき、それでいいと受容することが肝心。受容の精神が養われると衝突が減り日常が円滑になる」と川野医師は加えた。
 マインドフルネスの効果については「集中力の向上や・明晰な思考の促進があげられますが、何より他者への思いやりや優しさ(共感性)の向上が、私が思う一番の効果です。他者を思う心は、セルフコンパッション(自慈心)があってこそ生まれる」と川野医師。
 セルフ・コンパッションの研究者クリスティン・ネフは、「私たちは失敗したときや自分の欠点に気づいたときに苦痛を感じるが、その痛みより失敗自体に注目する傾向がある。今感じている痛みに気づくことが自分への慈しみの念・自慈心を持つきっかけになる」としている。
 慈悲心を育むには自分への優しさと、人間は誰でも不完全な存在であるという、あたり前の人間感が大切になる。。

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