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健康かながわ

レジオネラ症防止対策

image20℃以上の水が停滞または循環する人口環境水に高率に生息するレジオネラ菌。冷却塔水、給湯水、公園の噴水、温泉、浴場、特に循環式浴槽ではレジオネラ属菌の検査が必要となっている。発熱、悪寒、呼吸困難などの症状がみられ重症の場合では死亡することがあるレジオネラ症の防止対策の動向を報告する。

平成13年7月、宮崎県の日向サンパーク温泉施設で発生したレジオネラ症の被害対象者は1,318名、うちレジオネラ症の疑いで入院した人は280名を越え、死亡者は7名に達した。レジオネラ症に関する事故のニュースは毎年散発的に報道されていたがこれだけの被害者が出たのは初めてであった。同施設でのレジオネラ属菌の菌数の測定では検出限界値(10CFU/100ml~、CFUとはコロニー=細菌が増殖してできる集落の形成単位)の15000倍にあたる15万CFU/100mlのレジオネラ属菌が検出されたといわれている。

この事態を重く見た厚労省では昨年9月「入浴施設におけるレジオネラ症防止対策の実施状況の緊急一斉点検について」を通達。全国31,826施設への緊急一斉点検を行った。その結果が3月31日に公表されており、概況は図のとおり。
前述の日向市の事件などで世間の関心が急速に高まってきたこともあり、現在、当協会にもレジオネラ検査の依頼が増加している。
当協会でレジオネラ検査を担当し、県内全域へ検査の普及を呼びかけている金子治司検査一部科長は「これまでにわかったことはレジオネラ属菌が検出される風呂、特に循環式の浴槽ではかなり多いこと、レジオネラ属菌検査を行っていないと思われる施設がまだかなり多いことが分ってきました。レジオネラ症を防止するにはまずは検査をして菌の有無を確認することが先決。」と語る。
今後、神奈川県では条例によるレジオネラ症防止対策がいっそうはかられていく動きもある。入浴施設や旅館等の施設管理にあたっている方々は十分留意いただきたい。

当協会のレジオネラ検査ではユーザーの利便性をはかり、 宅配便で器材を送付。ユーザーは同封のマニュアルに従い該当箇所の採水をし、後は器材を返送するだけ、という手軽な検査態勢をとっている。お問あわせは045-773-1921まで。

(健康かながわ2003年5月号)
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