情報サービス
前のページへ戻るHOME > 情報サービス > 健康かながわ > バックナンバー > 健康づくりのための運動指針2006
健康かながわ

健康づくりのための運動指針2006

image厚生労働省の「運動所要量・運動指針の策定検討委員会」は先に報告された『健康づくりのための運動基準2006』に基づき、安全で有効な運動を広く国民に普及することを目的とし、「健康づくりのための運動指針2006」(運動指針)を策定した。理論編と実践編の2章からなり、実践編においては個人の身体特性及び状況に応じかなり具体的な内容となっている。

厚生労働省より健康づくりに必要な運動の種類、量などに関する「健康づくりのための運動基準2006~身体活動・運動・体力~」に基づき、広く健康づくりのための運動を普及するため「健康づくりのための運動指針2006」(エクササイズガイド2006)が発表された。

この運動指針では、まず広義の運動(=身体活動)を以下のようにはっきりと定義している。
①身体活動‥安静にしている状態より多くのエネルギーを消費する全ての動き。
②運動‥身体活動のうち、体力の維持・向上を目的として計画的・意図的に実施するもの。
③生活活動‥身体活動のうち、運動以外のもので職業上のものも含む。これにより運動をより日常的で親しみやすいものにしている。

また、これまで理解が難しかった運動の強度と量をできるだけわかりやすく理解するために新たにエクササイズ(Ex)という単位を提唱した。

通常運動量は運動の強度と時間の積で表される。運動強度に関しては以前より、その運動が安静時の何倍に相当するかを表すメッツ(METs)という単位が用いられてきた。
今回提唱されたエクササイズは、身体活動の強度(メッツ)に実施時間(時)をかけたもので、より強い身体活動ほど短い時間で1エクササイズとなる。(図1)

週23エクササイズの活発な身体活動を!

image生活習慣病予防のために必要な身体活動の目標も設定された。『週23エクササイズの活発な身体活動』とし、そのうち『4エクササイズは活発な運動』が望ましいとある。身体活動のうち、運動・生活活動ともに3METs以上のもの(中等度以上)を「活発な身体活動」とし、低強度の運動・生活活動は週23エクササイズには含まない。(図2)

1エクササイズに相当する身体活動は図1の通り。たとえば、通勤で往復40分歩いた場合、2エクササイズ。軽いジョギングを10分間で1エクササイズ。と1週間分を加算していけばよい。

ただし、この運動指針は健康な成人を対象としている。体力・運動習慣・健康状態には個人差があるので、日常生活のなかで無理なく活動量を増やしていくことが望まれる。持病を持つ場合は主治医に相談してから運動を実施することも必要だろう。また、日常の活動量を増やすことで、内臓脂肪を減らし、血糖値や脂質異常の改善を図るばかりでなく、体力を向上させることでも生活習慣病を予防することが期待される。

厚生労働省のHP(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/undou01/pdf/data.pdf)で公開されている運動指針には【実践編】として実際に「身体活動量の評価から実践までの流れ」として詳細で具体的な資料となっている。自分自身で現在の活動量の評価・目標の設定ができるようなチェックシート・手軽にできるエクササイズ・実施する際の注意やアドバイスが記載されている。

(健康かながわ2006年11月号)
中央診療所のご案内集団検診センターのご案内