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MIPコンディショニングセンターの取り組み

テニスやサッカーなど、小さい頃からスポーツ教室に通う一方、一般的な運動ができないといった児童・生徒が増えてきている。そんな中、トップアスリートたちを支えてきたトレーナーや管理栄養士が立ち上げた一般向け運動施設MIPコンディショニングセンター(船橋市)で行われている子どもたちへの取り組みを紹介する。

MIPコンディショニングセンターマネージャーの亀田圭一さん、管理栄養士の花谷遊雲子さんに施設の特徴や取り組みを伺った。

MIPコンディショニングセンターとは

M:モラル・I:インテリジェンス・P:フィジカル。MIPスポーツ・プロジェクトはこの頭文字に基づく青少年の健全育成と日本のスポーツ文化の向上を目指したNPO法人である。MIPコンディショニングセンター(以下「ミップ」)はこの理念に賛同したスタッフらが立ち上げた。スタッフはトップアスリートを支えている整形外科医、トレーナー、管理栄養士らである。しかし、対象はあくまでも、一般のスポーツ愛好家やクラブ活動などを行う子どもたちである。

ミップのコンセプトは「正しい知識を持って、自らがからだをコントロールする力」を身につけてもらうこと。からだづくりはトレーニングだけでも、栄養だけでも成り立たない。それぞれがうまくつながりあってこそ、最大限のパフォーマンスを発揮できる。そのことを少しでも一般の方々に伝えられればというのが、スタッフ全員の思いである。

子どもたちへの関わり

ミップの会員は3割程度が児童・生徒である。故障のリハビリから強化まで目的は様々。しかし、コンセプトは子どもに対しても同じである。大人と異なるのは、彼らが「成長期」であること。そのため、発達段階に沿って、心身ともに成長という力を最大限に発揮できるよう気を配っているとのことであった。

image最近は、自分の行っているスポーツに関わる動作はできるのに、歩く姿勢が悪い。栄養にしても、筋肉がつくようにと食事をしているのに、運動前の補食がないまま空腹で練習をしている。このように、からだも知識も偏ったものになっている児童・生徒を多くみかけるという。また、運動時に怪我をしても、治療は受けるが、次にまた同じ怪我をしてしまう。なぜ怪我をしたのか、怪我を予防するには何をどうすればよいのかは忘れられがちである。

プロのアスリートであっても、全ての大会にトレーナーなどが同行できるわけではない。最後に頼りになるのは、自分自身―セルフケア能力である。トレーニングも食事も、受け身ではなく、自らがからだと向き合って対処できるようになって欲しい。ミップではこれを常に心がけている。

例えば、からだのケアは、正しい方法を教えたら、後は、子どもであっても自ら行う(写真右)。怪我をして来所したら、怪我の予防もふまえた指導を行う。動きのバランスが悪い場合は、姿勢をしっかり保つといった基本から取り組む。そして、なぜそのようなことが大切なのか、基本をおさえることで自分自身がどう変わったか、まで考えられるようにアドバイスをする。

image食事では食事バランスガイドを基本に、成長期に必要な乳製品などをしっかり摂るようなアドバイスを中心に行っている。しかし、最終的な目標は、食事のバランスが良くなることではない。食事のバランスが良くなることで「体調が良く運動に取り組めること」「成長段階に沿ったからだづくりができること」「そういう食事を自ら考えられる力を身につけること」が目標である。そのため、アドバイスは、食事を用意する保護者に対してだけでなく、必ず、本人にも体調や運動と関連付けて声をかけ、本人に実感してもらっているという(写真右)。

学校現場に向けて

学校の強みは子どもたちと継続的に向き合えることである。特に保健室は何らかの形でからだを通じて子どもたちと接する場である。からだづくり・ケアのプロであるミップと、日々子どもたちと接することのできる養護教諭ら、それぞれの強みを活かした連携が取れればとのことであった。

(健康かながわ2009年4月号)
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