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健康かながわ

神奈川県の健康への取組み(松沢成文 神奈川県知事 500号記念特別寄稿)

当協会は、昭和30年、任意団体「神奈川県寄生虫予防協会」として発足し、昭和39年に神奈川県から財団法人の認可を受け、「神奈川県予防医学協会」として設立されました。

昭和43年4月には、機関紙「健康かながわ」(月1回発行)を創刊し、以来、公衆衛生や予防医学の知識の普及等に努めてまいりました。そして今月号をもって第500号という節目を迎えることとなりました。長きにわたり継続できたのは、関係各位のご支援ご協力のおかげと、深く感謝いたします。

この節目にあたり、本号では、松沢成文神奈川県知事に、本県の健康への取り組みについて特別寄稿していただきました。

はじめに

財団法人神奈川県予防医学協会の広報紙「健康かながわ」第五百号の発行をお祝い申し上げます。
貴紙は、昭和43年の創刊以来、市町村や企業、教育現場等に対して、最前線の健康や医療情報を提供することを通じ、地域の健康づくりに多大なる貢献をしてこられました。皆様のご尽力に深く敬意を表しますとともに、心から感謝申し上げます。

県民運動による健康づくり

imageさて、神奈川県では、県内の各地域で自主的に展開される県民運動としての「健康づくり運動」を昭和52年から推進し、県民の健康・体力づくりに取組んできました。

そして、平成12年3月、国において、「すべての国民が健やかで心豊かに生活できる活力ある社会とすること」等を目的とした「健康日本21」が策定されたことを受けて、平成13年2月、県では「かながわ健康プラン21」を策定し、「体重は健康のバロメーター」など、県民一人ひとりが取り組む健康づくりの目標を「かながわ健康づくり10か条」として取りまとめ、さまざまな施策を推進してまいりました。さらに平成20年3月には、近年注目を集めている「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」の予防を重視した生活習慣病対策を推進するため、「健康プラン21」を改定したところです。

また、平成19年度からは、日常生活の中で気軽に体操をすることにより、生涯を通じていきいきと健康に暮らすことができるよう、「健康づくりに向けた体操推進運動」を「かながわ健康プラン21推進会議」の取組みの一つに加え、関係団体とともに推進してまいりました。この運動の一環として、体操を実施している県民の自主的活動を紹介する「健康体操バンク」を設置し、仲間を集め、活動の充実を図ることを希望する団体の募集・登録を行うとともに、登録団体の情報を広く県民へ提供しています。さらに、本年11月7日に開催された「すこやかかながわ一万人健康ウォーク」では、登録団体の方々のご協力で、体操の実演と紹介もしていただいています。

一方、食生活に関しては、「神奈川県栄養士会」や、食を通しての健康づくり活動をしているボランティア団体「神奈川県食生活改善推進団体連絡協議会」が中心となり、各地域の実情に合わせた適正な食生活を普及する事業を実施しています。県としても健康維持のために望ましいと言われる、1日350g以?上の野菜の摂取を達成するため、「連絡協議会」が開発した「野菜もう一皿レシピ」を県ホームページで紹介をするなどの連携を図っているところです。

がんへの取組みと受動喫煙対策

ところで、県民の死亡原因の第1位は「がん」です。そこで県では平成17年3月に「がんへの挑戦・10か年戦略」を策定するとともに、平成20年4月からは「神奈川県がん克服条例」を施行し、予防、早期発見、医療、緩和ケアの4本の柱により、がん対策を展開しております。中でも、本県は、がんの早期発見に向けたがん検診の受診率が全国的にも低い状況にあることから、県としては、市町村や関係団体とともに、受診率の向上に向けた取組みを進めているところです。このうち、乳がんの撲滅、検診の受診啓発運動は「ピンクリボン運動」として全国的に展開されておりますが、本県においても、貴会が中心となって、この運動と連携を図るとともに、各市町村の検診やイベントを通して、検診の受診に向けた啓発活動を展開していただいています。

さらに、神奈川県民の死因の約6割を占めるがん・心臓病・脳血管疾患をはじめ、多くの疾病の原因となることが科学的に明らかにされている喫煙対策にも力を入れています。県ではこれまでも喫煙者の減少や受動喫煙の防止などを中心とした啓発事業を実施してまいりましたが、平成21年3月には、受動喫煙による健康への悪影響から県民を守るための「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例」を制定し、条例の周知や施行準備のため、同年4月に健康増進課にたばこ対策室を設置するとともに、保健福祉事務所の体制整備を行いました。

現在は、平成22年4月の施行に向けて、県民、事業者等へ条例の周知を図るため、事業者団体等への条例説明会を開催するとともに、「スモークフリー社会」の実現を目指した街頭キャンペーンをはじめ、新聞・ラジオ、県の広報紙など各種広報媒体を活用した周知活動や、関係団体・企業と連携したPRなど、さまざまな取組みを展開しています。

今後に向けて

このように、本県ではこれまでも、財団法人神奈川県予防医学協会をはじめとした各関係機関のご協力も頂きながら、県民の健康づくりに先駆的な取組みを進めてきたところです。

今後も、県民一人ひとりが、自らのライフスタイルを見直し、生活習慣に起因するさまざまな病気の予防に努めることができるよう、貴会をはじめとする関係機関・団体と連携を図りながら県民の健康づくりに向けた施策を積極的に推進してまいりますので、引き続きお力添えいただきますよう、よろしくお願いいたします。

(健康かながわ2009年11月号)
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