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健康かながわ

 全国で予防医学を推進する団体が予防医学事業中央会を構成しています。毎年、予防医学事業推進全国大会を開催しています。当面する課題を整理し、国民の健康向上に寄与する技術を検討するためと、国民の皆さんと一緒に勉強しようとするものです。本年度は私ども神奈川県予防医学協会が運営を担当する事になりました。
  秋もたけなわの10月28日(金)、神奈川県民ホールで開催いたします。

  例年テーマを掲げます。今年は「いま、健康とはなにか-21世紀の課題を探る-」といたしました。(第56回平成23年度予防医学事業推進全国大会実行委員長・鈴木忠義)

巨大地震、大津波、生命喪失

 本年3月、わが国は世界史上5指に入るという巨大な地震と随伴する大津波の自然災害およびその影響によって原子力発電設備が破壊されるという大事故に見舞われました。
  7月8日朝日新聞朝刊によると、死亡15,539人 行方不明7,014人 家屋全壊(東北3県で)10万5千戸、避難者は(東北3県で)約15万人(6月9日現在朝日新聞把握)と報道されています。

  最近の年間死亡総数は114万人ですから1.5ないし2%の超過死亡です。直接死因が類推できる死者は家屋倒壊や延焼死が少なくほとんど水死とされました。津波の恐ろしさを改めて思わざるをえません。亡くなられた方、ご遺族および被災された方々に心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。

放射線の脅威

  さらに原発施設の崩壊の結果、人間の管理から解放された放射線による健康被害を避けて強制退去、および自主避難の事態が生じました。ふるさとの自然を、住む家を、作物を育て家畜を養う、その他さまざまな生活の手段を失った何とも言えない無念さに同情の念を禁じえません。たとえ千年、二千年に一度の大自然の乱れがきっかけであったとしても人の造ったものが人の手を離れて牙をむいて襲いかかったのですから。

  こうした状況は世界の人々の心からの同情と支援の対象になっています。ありがたい事です。そして被災直後からの日本人の節度と秩序ある有様、略奪や破壊が起こらない社会に称賛が送られ、そして日本は必ず再生すると期待されています。

  私たちはこうした同情、支援、称賛、期待に応えるべきです。明治の開国、第二次大戦の敗戦と焦土からの奇跡の立ち直りで世界が驚異したように、今回も力強く立ち直ろうではありませんか。

健康創造

 天災による不慮の死であれ人の死の対極は健康です。私たちは自分、家族、周辺の人々が穏やかに健やかに、生活できる事がもっとも望ましく幸福だと信じます。予防医学の目的は国民の健康を造ることです。

健康とはなにか

 さて、本論に入ります。冒頭に記したように本年の予防医学事業推進全国大会は私たち神奈川県予防医学協会がお世話を担当することになり、昨年の夏から準備を進めてきました。毎年掲げるテーマを「いま、健康とはなにか-21世紀の課題をる-」としたのもそのころのことでした。そして実は30年前当協会が担当し横浜で開催した時と同じテーマなのです。
 
  30年前の大会は2日間にわたり特別講演2題、シンポジウム2題と多彩でした。今回は近年の社会環境にかんがみ簡素に組み立てました。そして国民の状況も変わりました。当時も高齢化社会は予測されていましたが、世界最速で超高齢社会に突入して国民の健康はどんな状況になるか、そして社会や経済は、といったことは推測の域を出ませんでした。

  生物にはその種特有の寿命があり、人間も母の胎内に始まり出生を経て乳児、幼児、少年、青年、老年と進化します。生理的には老年期に近付くまでは上昇しますがやがて減衰に転じます。しかし可能な限り死の直前まで人の機能が維持できることが望まれます。

  私たちの先輩はさまざまな知識を集積して食事の工夫が健康長寿を、そして日常生活の機能の補完・支援は家族、周辺の人の気配りや心遣いによって左右されることなどを知りました。
  今回は健康確保のための行政の役割、健康長寿のための食事の役割、生活機能の低下者を支える家族の機能について講演を予定しました。 行政の役割については神奈川県知事の抱負を伺うべくご多忙の中、時間を割いて下さる様お願いをしているところです。

  皆様の期待に応えられる内容であると信じています。ご来場をお待ちしております。

 (健康かながわ2011年7号)

 

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