大腸がん検診

大腸内視鏡検査

●早期発見で生存率は9割以上

    日本人が罹患するがんの第1位は大腸がんで、新たに診断される人は1年間に約15万5千人(2019年調べ)います。早期発見には便に血液が混じっていないか調べる便潜血反応検査を行い、検査結果が陽性で「要精密検査」となればすみやかに「大腸内視鏡検査」を受診することが大切です。

    しかし精密検査を先延ばしにしてしまうケースは多く、統括消化器検診部長の高木精一先生は、精密検査の重要性を次のように呼びかけます。
    「大腸がんの症状には便通異常(便秘・下痢)や血便、便が細くなるといった自覚症状がありますが、これらはがんが進行してから現れます。そうなる前に見つける必要があり、年に一度実施し、陽性であれば大腸内視鏡検査を行うことがなによりも大切です。早く見つかれば開腹手術をせず内視鏡でがんを切除することが可能で、早期発見し治療した場合の5年生存率は9割以上と高いこともわかっています。痔などの肛門疾患でも便に血が混じることはありますが、がんではないだろうと自己判断で放置しないで大腸内視鏡検査を受けるようにしましょう。」

●少しでも負担を減らすために

    大腸がんの約70%は直腸とS状結腸にできますが、最近は上行結腸にも多く見られます。
    大腸内視鏡検査では肛門から内視鏡を挿入し、大腸の一番奥に位置する盲腸から手前の直腸まで内視鏡を引き抜きながらがんやポリープなどの有無を観察します。病変が疑われる場合は組織の一部を採取して顕微鏡で詳しく調べる病理検査を行うこともあります。

    1cm以下のポリープであればその場で切除することもできますが、1cm以上のポリープや1cm以下でも切除が難しい、または悪性を疑う場合は専門の医療機関を紹介いたします。 当協会では検査前に鎮痛剤を投与し、検査中に強い負担を感じる場合は鎖静剤を使い苦痛の少ない検査を実施しています。

    検査中は、モニターに映る自分の大腸の状態を 見ることができます。 「大腸内視鏡検査は前日の飲食制限や、腸の中をきれいにするために腸管洗浄剤を飲む必要があります。検査中は少しでも受診者の方の負担を減らし、なおかつ精度の高い検査を行うために施術医は経験豊富な医師が担当いたします。便潜血反応検査で陽性反応が出て大腸内視鏡検査を一度も受けていない人は、この機会に受診してください。」

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