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健康かながわ

マンモグラフィの精度管理

キーワードは 「施設・機器」「撮影技師」「医師の読影力」そして現場の意識向上

乳がん検診への「マンモグラフィ検診導入に関して早急な対応が求められる」との勧告(1987年第二次老人保健事業)が示され、がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針では「マンモグラフィ導入検診」が勧告(2000年3月老健法65号)されるといったこれまでの流れを受けて、乳がん検診現場へのマンモグラフィ導入がはずみをつけました。そして、高画質・低線量マンモグラフィによる乳がん検診の有効性が評価されるにつれて、受診者に対する健診実施施設の[品質の保証]と[責任の明確化]が、いままで以上に求められています。

日本乳癌学会や日本乳癌検診学会、日本医学放射線学会など7学会で組織されたマンモグラフィ検診精度管理中央委員会(略称;精中委)は、正しい診断を行う技術管理のポイントとして、
・施設・機器の精度
・技師の撮影技術 
・医師の読影能力を掲げています。講演された福田教授も、一人でも多くの乳がん早期発見に不可欠な要素と同様の指摘をされています。

細かな仕様基準をクリアした乳房X線装置・フィルムシステム、高輝度シャウカステンなどを通じて乳腺組織内の構造を描出した画像を目にすることができるようになり、そこに映し出された乳がんとしての所見を判別する能力と検診現場の意識の向上が重要になってきたわけです。

昨年、神奈川県下157の検診・医療施設を対象にマンモグラフィによる乳がん検診のアンケートを実施*しました。その結果、精中委主催の講習会・研修会に参加していない施設は56もありました。また、マンモグラフィ施設評価制度は108の施設が知っているにもかかわらず、実際に施設評価を受けたのは5施設にとどまっています。

乳房撮影を行う診療放射線技師と読影を行う医師は、精中委主催の講習会(読影~評価をきちんとこなせる基本プログラム中心)受講が義務づけられていること、さらに技師の筆記試験 、医師の読影試験が行われてA、B、C、Dのランク付け**がされていること。この2点を付け加えておきます。 *(9~10月 有効回答117) ** (A、Bが合格評価 当協会はランクA・B3名が取得)

(健康かながわ2002年9月号)
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