当会は昭和38年より、県下はもとより全国のパイオニアとして児童生徒の尿検査による腎臓病検診を開始、弊会の検査方法が全国の集団検尿の基礎となっています。
昭和50年に発足した「神奈川県学校・腎疾患管理研究会」の小児腎臓病専門医の意見を仰ぎながら、精度管理の向上と一貫した管理体制を図れるよう取組みを続けています。
尿検体は、おもに起立性たんぱく尿を除くために、起床直後に採取した尿を原則としています。
一次検査 | 二次検査 |
蛋白、潜血を試験紙法で実施します。さらに蛋白(+)以上の陽性者にはスルホサリチル酸法で確認検査を行っています。一次検尿陽性者は、約2週間以降に二次検尿を実施します。(生理中で尿潜血陽性になったケースを除くため) |
蛋白試験紙法検査に加えて、試験紙法によるP/C比(蛋白/クレアチニン比)を実施しています。尿は身体の水分量を調整するため濃縮されたり希釈されたりしますが、その尿の濃度を補正し、正確に蛋白を評価するための検査項目です。 蛋白潜血陽性者は、尿沈渣検査を行います。 学童二次検査判定基準(PDF 476KB) 腎臓病検診管理システム(PDF 783KB) |
検査結果は、学校宛のほか個人結果通知を全員に発行いたします。個人結果通知は、プライバシーに配慮した形式(メールシーラー)を採用しています。
個人結果通知には、腎臓病検診(蛋白・潜血)と糖尿病検診の結果をあわせてお知らせします。
尿検査は、現在そのほとんどが検査測定器により自動化されております。しかしながらその一方、確認検査、精度管理等で臨床検査技師の判定手技の維持向上が益々重要になっています。当会では検査技師全員に対し、年度初めには検査マニュアルの再確認と周知のための教育を行っています。また、尿試験紙、スルホサリチル酸法の判定等の手技についても担当技師全員が同一基準で判定するよう統一化を徹底しています。
【一次検査】尿自動分析装置ZD601・601P(富士フィルム和光純薬株式会社製)4台を使用しています。この装置は、学校検尿用として開発されたもので多数検体の高速処理が可能です。試験紙法検査に加え、スルホサリチル酸法による蛋白の確認検査も行えます。
【二次検査】尿自動分析装置US3500(栄研化学株式会社製)を使用しています。試験紙法による蛋白・蛋白/クレアチニン比・潜血検査に加え、尿比重検査も実施しています。
「神奈川県学校・腎疾患管理研究会」は小児腎臓病専門医、自治体、大学、病院、学校、検診機関が相互に連携し腎疾患管理のあり方について調査、研究し児童生徒の健康管理に寄与すべく活動しています。当会はその事務局を担当しています。