事業報告 第2報(2023年3月)
1.補助事業の概要
(1)事業の目的
精度の高いデジタル機器を搭載した検診車の整備により、がん検診受診率向上、ひいては胃がんの早期発見・早期治療に繋げ、県民の健康増進・健康寿命の延伸に貢献します。
(2)実施内容
検診車の更新にあたり、3つのコンセプト掲げました。①環境にやさしい②プライバシーの配慮③外国籍の方や目や耳が不自由な方への対応です。これまでの検診車では撮影装置と車内空調の電源をそれぞれ発電機とバスエンジンの2つの動力から供給しておりましたが、全て蓄電池方式に変更したことで排気ガスゼロや騒音対策が可能となりました。
X線装置の特徴としては受光部に輝度劣化がないフラットパネルディテクター(FPD)を採用することで従来装置に比べ透視線量が10~20%軽減し、なおかつ撮影画像が明瞭化したことにより診断能の向上が期待できます。なお、導入からの稼働実績は以下の通りです。
稼働期間 | 稼働日数 | 受診者数 | 巡回場所 | 運行距離 | |
---|---|---|---|---|---|
2021年度 | 2022.2.16~3.28 | 14日 | 432名 | 7か所 | 2,940km |
2022年度 | 2022.4.1~2.28 | 175日 | 48,392名 | 67か所 | 11,836km |

2.事業実施効果
胃がんデジタル検診車の増車による、神奈川県民の胃がん受診機会が増加することで、受診率が向上し、胃がんの早期発見・早期治療につながり、県民の健康増進に寄与することが期待できます。また、プライバシーへの配慮や多言語・画像・音声対応の案内機能の導入による受診者様の利便性向上、さらに、精度の高い検診検査結果を得ることができるとともに、データの分析等が容易にできるシステムが整備されたことで、診断能力の向上に繋がります。導入にあたって設定したコンセプトには以下の効果が得られました。
①環境にやさしい
蓄電池を使用することで二酸化炭素排出量は検診1日あたり、給油量6.4リットル・検診4時間で算出すると16.5kgの排出量です。2L入りペットボトルに換算すると約4200本分の二酸化炭素排出量を軽減したことになります。検診車稼動以来、約3.1tのCO2排出削減を達成しました。
自家発電機を使用しないため検診会場がとても静かです。外でお待ちの受診者様に対しても発電機の音や排ガスの臭い等、ご迷惑をおかけすることがなくなりました。検診現場先の担当者様からも、とても好評です。
②プライバシーの配慮
車内更衣室を個室にしたことにより、新型コロナウイルス感染症対策およびプライバシーを守ることができ、受診者様も安心して受診されています。
③外国籍の方や目や耳が不自由な方への対応
e-検査ナビは外国人や身体障碍者だけでなく、初診者にもとても有効です。イラストと字幕を交えての検査実施は受診者様の興味をひき、とても積極的かつ協力的に検査寝台の上で動いて頂いております。